「アラブのNPT残留を当然だと思うな」
【カイロIDN=バヘール・カーマル】
エ ジプト国民が核問題に現実の懸念を抱いているというわけではない。宗教間暴力が激しさを増し、ムハンマド・モルシ政権に対する民衆の不満が高まる中、危険 な不安状況が続いている。こうしたなかでエジプト国民は、彼らの現在と直近の将来について深く憂慮している。簡単に言えば、あまりに多くの不満とごまかし があり、核のことなどは考えられないというのが現状である。
にもかかわらず、一般的にはアラブ諸国政府、とりわけ湾岸地域の諸政府が―米国からの政治的圧力を受けてのものだと言われているが―イランの核計画に対する恐怖感を表明するようになり、近年再び核問題に焦点を当てるようになってきている。
実 際、バーレーンのガニム・ビンファドル・アル・ブアイネン外務担当国務大臣(副外務大臣)とハーリド・ビン・アハマド・ビン・ムハンマド・アル・ハリー ファ外相はこの3月、「バーレーン政府およびその他の湾岸諸国としては、たとえ平和目的であったとしても、核活動に関する話は聞きたくない」と、マナマで 筆者に語った。
核兵器の禁止を望む若者たち
【ベルリン/ジュネーブIDN=ラメシュ・ジャウラ】
若者の手にかかれば、世界のすべての核兵器は非人道的なものだと宣告され、核兵器を禁止する包括的な条約が実現するだろう。これは、ジュネーブの国連欧州本部(UNOG)で開催された重要な会議の中で発表された、国際意識調査の結論である。
創価学会インタナショナル(SGI)の青年部のメンバーが行ったこの調査では、15歳~45歳の回答者の91.2%が「核兵器は非人道的である」と答え、この大量殺戮兵器を禁止する包括的な国際条約を支持する声は80.6%に上った。
核不拡散から核兵器の完全禁止へ
【メルボルンIDN=ティム・ライト】
3 月初め、核兵器がもたらす人道的影響と、核攻撃に際して国際援助機関に効果的に対処能力がないという点に関する画期的な会議が、ノルウェー政府の主催によ りオスロで開催され、120か国以上の政府、赤十字、複数の国連機関が参加した。この会議から発せられたメッセージは明確で、「核兵器が再び使われないよ うにする唯一の方法は、速やかにそれを違法化し廃絶する」というものであった。
外交官や専門家、市民社会によるこの初めての集まりは、2010年の核不拡散条約(NPT)運用検討会議で採択された最終文書から生まれた、人道主義を基盤にした核軍縮への新しいアプローチの一環であった。2010年の会議では、核兵器国であるロシア・米国・英国・中国・フランスを含む189のNPT加盟国が、「核兵器の使用がもたらす壊滅的な人道的帰結への深い懸念」を表明していた。
核兵器禁止へ道を切り開く国際会議
【ベルリン/オスロIDN=ラメシュ・ジャウラ】
「核兵器なき世界」が実現するまでの道のりは、まだ何千里という長さだ。しかし、大量殺戮が可能な核兵器の禁止に向けた重要なステップが、北大西洋条約機構(NATO、加盟28か国)の熱心な加盟国であるノルウェーの首都オスロでとられた。
バラク・オバマ大統領が2009年4月にプラハで行った演説に応えて、NATOは「核兵器なき世界への条件を作り出すという目標」を掲げた。しかし、2010年11月のリスボン会合で承認された「戦略的概念」の一部として、「世界に核兵器があるかぎり、NATOは核同盟でありつづける」ことを再確認してもいる。
核廃絶国際キャンペーン、核兵器禁止への決意あらたに
【オスロIDN=ラメシュ・ジャウラ】
ノルウェーは、28か国から成る北大西洋条約機構(NATO)の加盟国として米国の核の傘の下で保護されている。しかし、そのノルウェーからの大きな支援を得て、核兵器の違法化を目指す世界的な運動が生まれつつある。オスロで2日間の日程で開かれている「ICAN市民社会フォーラム」でのことだ。
「核兵器の人道的影響に関する国際会議」に先立って、3月2日~3日にかけて約400人の若者がこのノルウェーの首都に集まった。しかし、5つの「公式の」核兵器国(同時に国連安全保障理事会の五大国[P5])でもある米国、ロシア、中国、フランス、イギリスは、協議の上で会議をボイコットし、各国当局や、ICAN(核廃絶国際キャンペーン)のフォーラムに参加した非政府組織を驚かせた。
まるで冷戦が終わっていないかのような核の警戒態勢
【ベルリンIDN=ジャムシェッド・バルアー】
国連軍縮研究所(UNIDIR)の最新の報告書が、20年前に終わったはずの冷戦が変わらず続いているかのように、米露両国が核戦力の多くを、数分以内に発射できる高度な警戒態勢下に置きつづけているという憂慮すべき結論を引き出している。
ハンス・M・クリステンセン(米国科学者連盟[FAS] 核情報プロジェクトディレクター)とマシュー・マッケンジー(天然資源防衛評議会)の共著である報告書『核兵器の警戒レベルを下げる』によると、仏英と合 わせると4か国で約2000発の核兵器が短い通告で使用可能な状態にある。これはその他の核兵器国が保有する核弾頭数を全て合わせた数よりも多い。
2030年までに世界的な軍縮の実現を目指して

【ベルリンIDN=ラメシュ・ジャウラ】
著名な仏教指導者である池田大作氏は、2015年に「拡大首脳会合」を実現させ、「核兵器のない世界」への潮流を決定づけるとともに、2030年に向けて世界的な軍縮の流れを巻き起こす出発点にすることを呼びかけています。
そのうえで、池田氏は、NGO(非政府組織)と有志国による「核兵器禁止条約のための行動グループ」を発足させ、非人道的であり、毎年1,050億ドルをも費やす核兵器を禁止する条約づくりのプロセスを年内に開始させることを求めています。
「そこで今後、重要なカギを握るのが、核保有国による“核の傘”に自国の安全保障を依存してきた国々の動向です」と、東京に拠点を置く世界的な仏教団体である、創価学会インタナショナル(SGI)の池田会長は、記しています。
制裁でアジアの核廃絶は達成できない
【シンガポールIDN=カリンガ・セネビラトネ】
1月22日の国連安全保障理事会による対北朝鮮制裁拡大決議に対して、北朝鮮が核実験再開の脅しをもって応えたことと、東南アジア諸国連合(ASEAN)が昨年11月のサミットにおいて、核兵器5大国を東南アジア非核兵器地帯条約(SEANWFZ)の付属議定書へ署名させることに失敗したことは、グローバル経済の中心として急速に台頭しているアジア地域が今日直面している「核の脅威」を象徴する出来事だった。
こうした動きの中心に位置づけられるのが、バラク・オバマ政権によるアジア・太平洋地域への「ピボット(軸足)」政策あるいは「リバランス(再均衡)」政策である。アジア地域では、これは経済あるいは政治的な再関与というよりも、むしろ安全保障問題であるとの見方が強まってきている。
教育に新しい地平を切り開く日本(ラメシュ・ジャウラ国際協力評議会会長)
【ベルリンIDN】
私が5年前に日本を訪れて、創価学会インタナショナル(SGI)の首脳らと会った際、同団体による教育活動と、池田大作SGI会長が掲げる理念について学んだ。それは、「倫理的・精神的な裏付けを欠いた教育は、知識に対する態度をゆがめ、科学的な研究を制御不可能な危険な方向に走らせかねない」というものだった。
池田会長はインタビューの中で、「その典型的な例が核兵器の開発です。」と指摘した上で、「私が国境、宗派、イデオロギーの違いを超えて『対話』を重ね、人間と人間とを結ぶ『教育交流』に力を入れてきたのも、そうした理由からです。」と述べている。SGIは、一人ひとりの変革と社会貢献を通して平和や文化、教育を推進する、世界的な仏教徒のネットワークである。
核実験禁止に期待されるあらたな契機
【ウィーンIDN=ジャムシェド・バルアー】
包括的核実験禁止条約機関(CTBTOとしてよく知られる)準備委員会は2013年、新型大量破壊兵器到来の先駆けとなる核実験を禁止するこの条約の発効に向けて、あらたな契機が生まれることを期待している。
こうした楽天的な期待の背景には、昨年12月3日の国連総会において、包括的核実験禁止条約(CTBT)への支持が加盟国の圧倒的多数により、ほぼ満場一致でなされた事実がある。「アクロニム研究所」のレベッカ・ジョンソン氏によると、CTBTは「核時代に(人類が)やり残した仕事の中で、主要な部分を占めるもの」だという。
安定的な「核兵器ゼロ」は可能
【ベルリン/ウィーンIDN=ラメシュ・ジャウラ】
1939年に第二次世界大戦が勃発する前、ドイツ生まれのノーベル賞受賞者アルベルト・アインシュタイン博士が、米国のフランクリン・D・ルーズベルト大統領に対して、アドルフ・ヒトラー総統率いるドイツが核兵器の開発に着手した可能性があるとして、米国も核兵器の研究を開始すべきだと助言した。その結果がマンハッタン・プロジェクトであり、最終的に広島と長崎に原爆が投下されることになった。
アインシュタイン博士は、核分裂という新発見を兵器として応用したことを悔い、英国の哲学者バートランド・ラッセル卿とともに「ラッセル=アインシュタイン宣言」に署名して、核兵器の危険性を訴えた。






